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10-FEET

たくさんの出会いと別れと喜びと哀しみを繋ぐ“10-FEET”という音楽

現場第一主義のバンドサウンドと、誰にも真似の出来ない暑苦しさを持った歌、結成当初から変わらぬ熱でシーンの第一線を走り続けてきた10-FEET。多くの若きバンドマンの憧れかつ目標にまで成長した“京都大作戦”を今年も大成功させた彼らが、その興奮冷めやらぬ9月、7枚目となるニューアルバムをリリースする。たくさんの出会いと別れと喜びと哀しみをギュッと凝縮したような、まるで太陽が丘で感じたすべての感情が詰め込まれたような今作。1人で聴いたときにはグッと震えるのに、ライブハウスで聴いたときにはみんなで暴れ出したくなる最高傑作アルバム『thread』が完成した。

INTERVIEW #1
「今回、メンバーや周りのスタッフがそう言ってきたことに、僕は“おっ!”と思って。“じゃあ、これはそうしてみようか”と」

●“京都大作戦2012”は楽しかったですね。

3人:楽しかった〜!

TAKUMA:プレッシャーはありましたけどね、振り返ってみると。

●今年はどの出演者が印象的でした?

TAKUMA:RIZE。

●RIZEはびっくらこきました。

KOUICHI:JESSEも自分でびっくりしていましたよ。

●「歌える奴は上がってこい!」と言ったら、お客さんがどんどんステージに上がってきたという。

NAOKI:予想以上の人数が…(笑)。

●50人くらい上がっていましたよね(笑)。

TAKUMA:ステージ袖にいる僕らの方に“どうしよう?”っていう顔を向けてきて(笑)。

一同:ハハハハ(笑)。

●NAOKIくんはどうでした?

NAOKI:やっぱりBOMB FACTORYをあそこで観られたのは、熱いものを感じましたね。セットリストがまたやばくて、打ちのめされた。

●KOUICHIくんは?

KOUICHI:みんなよかったけど、OVER ARM THROWかな。普段はライブハウスでやっているのに、ああいうデカいステージでも映えていて。かっこよかったなあ。

NAOKI:OVER ARM THROWは最後に、次の牛若ノ舞台でやるCOUNTRY YARDに向けて「COUNTRY YARD、ツアーお疲れ様!」って言ってたじゃないですか。そういう感じもすごくよかったなあ。

KOUICHI:HEY-SMITHも言っていたよな。

TAKUMA:今年、牛若ノ舞台でSUNSET BUSとフィーチャリングさせてもらったんですけど、あのステージに立つのは初めてだったんですよ。牛若ノ舞台はお客さんが3000人くらい入っているのに、野外だと意外といちばん後ろのお客さんまで見える。見えるけど、すっごい人数なんです。あそこでやるのは、また違う形の緊張感だと思いました。

●出演者じゃないのに、ROTTENGRAFFTYのVo.N∀OKIくんもSUNSET BUSのステージに出てましたよね(笑)。

TAKUMA:出演者じゃないのに出てた(笑)。あれはね、いいライブができる場所だと思いましたね。ライブハウスっぽいというか、ほんまにライブハウスがデカくなった感じ。それで、顔が見える。源氏ノ舞台だと「今日は調子があまりよくない、でも気迫だけは…!」と思っても通用しないんですよね。でも牛若ノ舞台なら、それも含めて伝わるというか。本当に全部が揃った場所だと思いましたよ。みんないいライブをしていたし。

●牛若ノ舞台のSHANKのときなんて、笑っているお客さんの隣で泣いているお客さんがいて、更にその上をダイバーが飛んでいたりして…ぐっちゃぐちゃでわけが分からないけど、とにかくすごかった。

TAKUMA:SHANKもよかったらしいですね。

●本当に楽しい2日間でしたね。そして超久しぶり…3年ぶりのアルバムが完成したわけですが、今の10-FEETにとってアルバムを作るということは、売れるためだとかツアーをまわるためだとか、そういう直接的な目的だけではない気がするんですよね。バンドとして、ミュージシャンとして、人として生きていく上で、すごく大きな意味のあることなのかなと感じるんですが。

TAKUMA:それはあるかもしれない。

●今年で“京都大作戦”は5回目ですけど、あの場所に行くとなんか帰って来た感じがするんですよ。年に1回帰って来た感じ。あの場所は、普段の日常生活では忘れているけれど、生きていく上で必要なものを思い出させてくれる場所というか。

TAKUMA:うんうん。

●お客さんも出演者も、みんなが無茶苦茶になるじゃないですか。それは“純粋”といえるほど単純なものじゃなくて、理性とは別の所でぐちゃぐちゃになる。そういう場所があることって、実はすごく大切なことだと思うんです。その場で感じていることをその場で表現するというか。良いも悪いも素直になれる感じ。

TAKUMA:年末年始に近いような、地元の連れと久々に会うような感じ。「久々に本音を話せたわ」みたいな。

●そうそう。なにが言いたいかというと、今回のアルバム『thread』を聴いたとき、“京都大作戦”に行ったときと同じような感覚になったんです。音楽的にはバラエティに富んでいますけど、大まかに言うと、感情的には1種類か2種類くらいしかないというか。しかもその感情は純度と湿度がすごく高い気がするんです。具体的に言うと、“生きていく上での切なさ”みたいなものがキーワードとしてけっこう多いんじゃないかと。

TAKUMA:振り返ればあるのかな。まあ、印象的なことだけだと思うんですが。

●結果的にそうなったということ?

TAKUMA:結果的にですね。

●そういうこともあって、今作は歌の入ってくる度合いが今まで以上に強い気がする。

TAKUMA:あ、ほんまですか? 歌が入ってくるように、今まではもっとバランス感やバラエティ感があったはずなんですよ。

●ああ〜、そうか。確かに。

TAKUMA:僕は今回もそういうことを意識していたんですけど、メンバーとかスタッフとか、アルバム制作に身近に携わってきた人たちが「これでいこうよ」と言ったものが、けっこうウェットな感じの曲が多かったんです。

●あ、そうなんですね。

TAKUMA:もっと昔なら僕がそういうことを言っていたと思うんですけど、最近は僕が自ら全体のバランスを取るようになってきていたんです。だから今回、メンバーや周りのスタッフがそう言ってきたことに、僕は“おっ!”と思って。“じゃあ、これはそうしてみようか”と。シングルのカップリング曲の選び方とか曲順とかで、もうちょっと弾けた感じというかバラエティに富んだアルバムにできたと思うんです。

●そうかもしれないですね。KOUICHIくんはそういう自覚ありました?

KOUICHI:暗示していたかっていうこと?

●え? そんなこと誰も言ってないですけど…。

TAKUMA:こいつ…。

NAOKI:たぶん話を聞いていない(笑)。

●もう1度言いますけど、僕が「今作は“切なさ”みたいなものがキーワードになっている気がする」と言いました。そしたらTAKUMAくんが「結果的にそうなった」と言いました。

KOUICHI:言っていた。

●それでTAKUMAくんが「今まではもっと全体のバランスを取って、喜怒哀楽の全部が入るようなバラエティのある作品にしてきたけど、今回はメンバーやスタッフの意見からウェットな方向になった」と。それは今までになかったことだから、TAKUMAくんが“おっ!”と思ったと。それで僕がKOUICHIくんに「そういう自覚はありましたか?」と訊いたんです。

KOUICHI:…もう1回言ってもらってもいい?

一同:わぁ〜!

●アホか(笑)。

KOUICHI:すんなり決まったんですよ。M-8「求め合う日々」とM-11「淋しさに火をくべ」は、それぞれ13thシングル『hammer ska』(2010年9月)と14thシングル『その向こうへ』(2011年11月)のカップリングですけど、アルバムの振り幅を見せるなら別の曲を選んでもよかったと思うんです。でも最初からパッと。何なんでしょうね? よくわからへん。

●結局わからへんのかい!

TAKUMA:例えば『hammer ska』のカップリングで言うと、「rainy morning」というすごく英語の入る歌詞の曲と「求め合う日々」を比べたとき、アルバムのバランスを考えたら「rainy morning」の方がいい仕事をすると思うんですよ。

●うんうん。

TAKUMA:バラエティ感とか、飽きさせないおもしろさを考えたら。でもみんな迷わず「求め合う日々」と言ってて。そこで誰かが「えー!?」と言うこともなく。そこで僕は内心、ちょっと気になっていたんですよね。“いっつもだったら逆ちゃうの?”って(笑)。でも“こういうことって滅多にないし、ちょっとおもしろいかも”と思ったので、「じゃあそれにしようか」と言ったのをすごく覚えている。バラエティの豊富さよりも、1曲1曲の力を大事にするという選択が今作では何回も出てきて。それをおもしろがりながら僕はやっていました。

●KOUICHIくんは自覚すらないけどね。

KOUICHI:みんなの想いは一緒やったんやな!

TAKUMA:(KOUICHIに向かって)もう来なくていいよ?

●NAOKIくんはどうでした?

NAOKI:アルバムのバランスを考えたとき、カップリングだけで言うのであれば「raining morning」もナシではないんですよ。でも曲の強さとかを考えると、M-10「DAVE ROAD」みたいな遊びのある曲が入っているとか、そういう部分でバランスは取れていると思うんですよね。だからなんの迷いもなく「求め合う日々」を入れたんじゃないかな。

TAKUMA:今、「rainy morning」のことを「raining morning」って噛んでたからね。完全に入れる気がなかった(笑)。

●曲名すら覚える気がないという(笑)。

NAOKI:アハハ(笑)。でも本当に「rainy morning」は最初から頭になかったですね。

TAKUMA:意外やったなあ。

NAOKI:色で言うと「求め合う日々」と「淋しさに火をくべ」って、けっこう近いじゃないですか。

●近いですね。

TAKUMA:俺もそう思う。なんなら、そこにM-7「CRYBABY」とかが混ざって大丈夫なん? って思っていたんだけど。

●みんなの共通認識というか、共通の感覚みたいなものがあったんでしょうか。

TAKUMA:あったんでしょうね。僕はいつも、こういうときにけっこうワガママを言うんですけど。

●はい、知ってます。

TAKUMA:乱暴に言ってしまうと、10-FEETはウェットな方に持っていくチーム編成ではないはずなんです。ただ、所々にあるウェットさをより活かすためにという部分はすごく考えるというか。

●そもそもウェットな志向性が強いのはTAKUMAくんですもんね。

TAKUMA:そう。そうだったんですよ!

●メジャーデビュー辺りのライブとか、TAKUMAくんが1人でウェットな方向に暴走するようなイメージがあった(笑)。

TAKUMA:ハハハ(笑)。だから今回、僕は1人でそこにドキドキしていたんです。“ひょっとして、これはおもしろいことになるのかな?”と思って。密かに僕の中ではいちばんのチャレンジだったんですよね。これをリスナーはどう思うのか? とか、知らない人も含めてどう感じるのかを僕は知らないから。

●ただ、ライブを観ていて思うんですけど、10-FEETのウェットな曲ってライブでは案外ウェットじゃないんですよね。

TAKUMA:そうなんですよね。ライブは激しくなる部分はあるし、音源もただただウェットというわけではない。おちゃらけがあったり、激しさや熱さがあったり、速さがあったり、パワーがあったりということは絶対にやっているんですよね。今回に関してもライブで映えるようにという意識はみんなが常に持っているから、そこは心配していないんですけどね。

INTERVIEW #2
「生きた証というか…“俺ってこうなんだよ”というよりも“こういうものを1つ持っているだけで迷わずにすむ”というものを残していきたい」

●M-12「コハクノソラ」という曲がありますけど、この曲は今までにない感じですよね。

TAKUMA:そうでしょ?

●歌詞によるところが大きいんですけど、基本的に10-FEETというかTAKUMAくんって、曲の中でひとつの結論というか出口みたいなものも含めて表現しますよね。でもこの曲は、結論が出ていないわけではないんだけど、描かれているのは瞬間でしかない。うまく言えないんですけど…。

TAKUMA:わかります、言いたいこと。でもそれは歌の在り方の1つじゃないですか。

●そうなんですよね。

TAKUMA:ただ、僕たちが今までにやらなかっただけで。

●これは『莫逆家族』という映画の主題歌なんですよね。

TAKUMA:そうです。書き下ろしです。

●すごくいい曲ですけど、意外でもあった。

TAKUMA:映画のイメージをすごく頭に持って、なおかつ1つのリフ…イントロのアルペジオを中心に作った曲なんです。手法としてはどちらもやったことがなかったから、やっぱり作ったことのないような曲ができた。できたときに“こんな曲をやってもええのかな?”と思ったけど、アルバムの曲順でいちばん最後に聴いたときにめっちゃ感動したんです。“この曲いいやん!”ってなって、最近すごく好きなんですよね。ものすごく客観的に聴けるし。

NAOKI:映画を観て曲を作るというのは本当に初めてだったから、“こういう方向なんかな? こういう方向なんかな?”って。

●アレンジも映画から受けたイメージで?

NAOKI:そうです。映画を観てからスタジオに入って。

●そういうきっかけで新しいものが生まれるというのは、いいことですね。

TAKUMA:そうですね。この曲を知らずに映画を観て、尚且つ10-FEETの曲を知っている人は、いい意味でびっくりするでしょうね。

NAOKI:「1sec.」だったら主題歌は無理だったと思う。

●あ、そういう映画なんですか。

NAOKI:挿入歌はあったかもしれないけど、主題歌は違うと思う。

TAKUMA:そうやなあ。映画のイメージが変わってしまうもんな。

●いいきっかけをもらいましたね。

TAKUMA:そうなんですよ、本当に。すっごく楽しかったですね。熊切さんっていう方が映画の監督をされているんですけど、赤犬のアキラくんの同級生なんですよね。昔は映画のサウンドを一緒に作っていたこともあったみたいで。それがいろんな経緯で、まわりまわって僕らのことを知ってくれて「好きや」って言ってくれて。

●そうだったんですね。

TAKUMA:それにしても、話を貰ったときは“俺らはこの映画でどうやって曲を書くんだろう?”って自分自身が思うくらいの衝撃があったんですけどね。僕らなりに何とか解釈をして、いつもの10-FEETの感じでは無理だから(笑)、そうではなくていろんな極限というか、カラーがある中での、“ここはこれしかないな”というところ。だからこそ、答えが出ていない様な詞の表現になっているんじゃないかと思うんですけど。

●あと、M-6「シガードッグ」は、“京都大作戦”でもやっていましたよね。そのときのMCでも言っていたことですけど、もう会えなくなった人を想って作った曲ということで。TAKUMAくんの中で最近思っていることがいろいろあるんでしょうね。

TAKUMA:全体のイメージとか詞とかが生まれたきっかけは東日本大震災だったんです。大震災があって、その後なんだかいてもたってもいられなくなって。1ヵ月も経たないうちに、1週間弱くらい都内に滞在していたんです。楽曲制作をしながら、物資を集めるために滞在していたんですけど。

●“ふとん大作戦”? (※ツアーなどのライブ活動の中で募金を募りながら、そのお金を被災地に必要なモノにその都度替えて送るという10-FEETのプロジェクト)

TAKUMA:そうです。タワーレコードで場所を借りて、みんなでやり取りをして。そのときに、なんでかこの曲が出てきたんですよね。

●あ、作ろうと思って作ったわけじゃなくて、出てきたんですか。

TAKUMA:そう。近くのスタジオでプリプロもやっていたんですよ。その合間の時間を使って連絡を取り合って、いろいろと“ふとん大作戦”の段取りをしていたんですけど、そのときにどうしてもこの歌が出てきて。なんでかはわからないんですけど、歌詞もメロディもどんどん。

●一緒に?

TAKUMA:だいたい一緒に。いつも朝方に制作のプリプロが終わって家に帰るとき、この曲を歌ってしまう感じで、“たぶん歌いたいんやな”と思ったんです。それが原曲になって、いつものやり方で「ここから曲を作ろう」と。バンドでやるなら素朴な方がいいのかと思っていたんですけど、やっぱり全然よくなりましたね。“10-FEET”っていう感じ。

●メロディも歌詞も一緒に出てきたんですよね?

TAKUMA:おぼろげにですけどね。たまにそういうときがあるんですよね。歩いていて、鼻歌をふんふんふ〜んと歌っていて、そこに言葉を1つずつ持ってくると、コンコンコンとハマる。

●今作の日本語の曲はそういう感じのものが多い気がするんです。例えば「CRYBABY」の“忘れて消えた心の中の 簡単な作りのそれは もう戻らないのですか”の部分とか。言葉というか感情とメロディが完全に一致している。

TAKUMA:「CRYBABY」のメロディって、ありそうでちょっとないような感じも感じるんですよね。

●10-FEETに?

TAKUMA:はい。若干和調なところがあると思うし。曲のイメージとか。これは鼻歌から作ったんですけど、昔だったらこれは曲にしなかったんじゃないかな。

●それはなぜ?

TAKUMA:スケールがギリギリ10-FEETっぽくないから。ストレート過ぎるし。でも、やってみたらすごくハマッて10-FEETっぽくなった。

●さっきから何度も「今作はウェットだ」と言いましたけど、「CRYBABY」は特にそう感じるんですよね。あとM-4「蜃気楼」も。

KOUICHI:「蜃気楼」はめっちゃ好きな曲です!

●笑いながら泣いているというか、泣きながら笑っているというか。こういうの得意ですよね。

TAKUMA:そうですね(笑)。好きですね。

NAOKI:ウェットですよね(笑)。

●ところで、どういう理由で今作のタイトルを『thread』にしたんですか? 2ちゃんねるでスレッドが立つからですか?

TAKUMA:そうです。

KOUICHI:アハハハハハハハハハハ(笑)。

●“thread”は、“糸”とかそういう意味があるらしいですが。

TAKUMA:そうですね。“1本”とか、“鉱脈”とか“水脈”とか。このタイトルにしたのは…1本続く人生。いろんなことを歌うけど“やっぱり繋がっているなあ”と思って。最初は“pick up the thread”っていう言葉があって、アルバムタイトルはそれがいいなと思っていたんです。“pick up the thread”は“ずっとやってきていたことをもう一度やる”という意味なんです。“もう一度”ということは、一旦辞めて離れているんですよね。ずっと離れていた仲間ともう1回連絡を取るとか、そういう感じ。

●ふむふむ。

TAKUMA:そういう言葉の持つ意味も含めて、切なく、儚く、いろんな人の人生に一度はありそうな場面を今回はどの歌詞でも多く歌っていたので、すごくしっくりくるんじゃないかと。でも“もう一度”ということばかりではないので、曲がたくさんある中で、1本の針を通す感じのタイトルとして『thread』にしたんです。“繋がり”というか。

●今の話もそうだし、今作の歌詞もそうだし、今年の“京都大作戦”のMCもそうでしたけど、“生きることには限りがある”という意識がより強くなっているんでしょうか? 以前、ライブに対する心構えについて「最初の3曲は後先考えずに全力でやる。全部の体力を使って必死でやったら、その先で見つけられるものがある」とTAKUMAくんは言っていたんですけど、それは10-FEETの活動も含めて、全部に共通している考え方のような気がするんです。後先考えずに無茶をやるっていうことじゃないけど、その場でできることを全力注ぎ込んでやる。今年の“京都大作戦”のMCでも「毎日後悔しないように生きろって言われるけど、なかなかそのように生きられない。でも1曲分くらいは本気でやれると思うから、観ててください」と言っていたし。

TAKUMA:よく覚えていますね(笑)。

●そういう心の姿勢って、いろんなところで大切だと思うんです。ライブにしても、曲作りにしても、ベースとなる考えは前からずっとあるように思うんですけど、最近のライブを観ていると、特にそういう意識が強いのかなと。

TAKUMA:繋げていこうというか、残していこうという想いは強いかもしれないですね。横にというか、後にというか。そういう想いをいつも持っておかないと、日々を全力には生きられないんじゃないかなと。でも、そういうことばかりを考えていてもおもしろくない。そういうことは、結局そういうことだけでは伝わらないと思うんです。なんでもないおもしろさとか、くだらないことがあって、初めて伝わるようなこともいっぱい経験してきた。

●はい。

TAKUMA:制作でもライブでもそこに葛藤があって。“やるべきときにすべてをかけてやる。やらなくちゃ”という想いがすごく強いのかもしれないから、アルバムにもそういう想いをすごく持っていた。生きた証というか…「俺ってこうなんだよ」というよりも「こういうものを1つ持っているだけで迷わずにすむ」というものを残していきたい。それはこれからの自分に対しても言えることで。結局は、歌としてパッと聴いたときにいいかどうかだけでしかないんですけど、さっきそう言われて“ああ、そうなのかな。そういうことを考えているのかな”と思いました。

●人生には限りがあるというようなことを?

TAKUMA:それもそうだし、ウェットな感じだったり、アルバムというものに対する想いだったり。別に音源に対してだけじゃなくて、生活していてそういう風に思う瞬間は人との付き合いの中でも多々あるんです。だから曲や発言や活動に自然と出ているのかもしれないですね。

●日々感じたり思ったりしていることが、自然ににじみ出ているんですね。そしてリリース後はもちろんツアーが控えていますが、今作の曲だけでもいいセットリストが組めますよね。

TAKUMA:きっとそれがいちばん大変ですね。セットリストをどうするかっていう。

●1時間くらいのステージだったら、今作の曲だけで十分。アンコールでM-10「DAVE ROAD」をやったらいいライブになると思う。

NAOKI:「DAVE ROAD」はアンコールで決定なんですか(笑)。

KOUICHI:本編には入らないのか(笑)。

●今回もすごく長いですが、どんなツアーにしたいですか?

NAOKI:うーん、わからないです(笑)。毎年“こういう感じでやりたいな”と思っていても、たぶんツアー中にいろんなアイディアや想いが出てきて変わっていくから、予想外な結果になっていることもあるんですよ。現場現場でおもしろいことが生まれることも多いし。

●対バンから受ける刺激や、地方の美味しい料理から受ける刺激もあるだろうし。

KOUICHI:ある!

NAOKI:しかもツアーが終わったら、もう“京都大作戦”ですよ。

●あっ、そうか。“京都大作戦”が終わって、アルバムを出して、ツアーをまわったらもう次の“京都大作戦”だ。

NAOKI:そういうことを考えると、僕らのアルバムを出すペースは早いんです!

●そうか!

NAOKI:決して遅くないんです! 何もせずにボーッとしているわけじゃないんです!

●「超久しぶりのアルバム」とか言ってごめんなさい!

NAOKI:とにかくツアーは楽しみですね。

●ではそろそろ時間なので、KOUICHIくん締めていただけますか?

KOUICHI:それではみなさんご一緒に、よ〜!

一同:パンッ!

Interview:Takeshi.Yamanaka
Assistant:Hirase.M

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