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Organic Call

醒めない夢を探して、理想へと走り続ける。

強い信念から生まれた優しさと微かな希望を唄う4人組ロックバンド、Organic Call。2017年2月に下北沢MOSAiCにて始動ライブを行って以降、累計150本を超えるライブを重ねて着実に実力を磨いてきた。過去2枚のシングルはライブ会場での手売りとタワーレコード新宿店限定での販売にもかかわらず、1,200枚の売上を記録。数々のオーディション企画でも上位に入選するなど、期待値が増す中で1st EP『水平線、続く天青』をリリースする。新たな音楽的側面も見せる今作を手に飛躍への第一歩を踏み出していく4人への、1stインタビューが実現した。

 

「“天青”というのは日本の伝統色の1つで、空の色のことなんですよ。空もずっと続いていくものじゃないですか。だからタイトルの言葉は結局、どれも“続けたい”という想いから出てきた言葉なんですよね」

●年齢や出身も異なる4人ということですが、どんな経緯で集まったんでしょうか?

川上:元々、僕と橘川は一緒にバンドをやっていたんです。そのバンドの解散後、僕はまた新しいバンドがやりたくてボーカルを探していて。でも橘川はサポート活動をメインにやっていたので、すぐ一緒にやろうとはならなかったんですよ。

橘川:僕は色んなサポート活動をやりつつ、ある程度やって満足したら就職でもしようかと思っていたんです。正直、割り切っていたというか。

●最初はまだ本気になっていなかった。

川上:その時点では前のバンドのベースと一緒に動いていたんですけど、彼がメンバー募集サイトで見つけてきたのが平田だったんです。弾き語りの音源を最初に聴かせてもらった時に“一緒にやってみたいな”と思ったので、とりあえず1回スタジオに入ってみて。その時に前バンドのメンバーだった橘川にドラムを叩いてもらったところで、この3人がまず揃いました。

平田:僕は地元の青森から、大学進学で上京してきて。バンドをやりたいなとは思っていたんですけど、なかなか自分と同じ熱量で活動できる人には出会っていなかったんです。それでメンバー募集サイトに登録していた時に、声をかけてもらった感じですね。

●植木くんはどういう経緯で入ったんですか?

川上:前のベースは他のバンドと兼任していたんですけど、最終的にそっちに加入することになって。そこから新しいベーシストを探すことになったんですけど、なかなか良い人に出会えなかったんですよね。

橘川:そこでまずはライブをすることを優先的に考えて、ちゃんと弾けるサポートベーシストを探そうという方向にシフトチェンジしたんです。その時に知り合いに紹介してもらったのが、貴さん(※植木)でした。

植木:僕も当時は別のバンドをやっていたので、“サポートメンバーとしてなら手伝うよ”という話をしたんです。

●そこから正式加入した経緯とは?

植木:別でやっていたバンドでは、思うようにライブができていなかったんです。それに比べてOrganic Callは活動ペースがすごく速くて、ライブの本数も多くて。そういう時にちょうどそのバンドが解散することになったので、正式に加入したいと申し入れました。

平田:タイミングもあったと思います。自分たちとしても、正規メンバーをそろそろ決めないとヤバいなという危機感も出てきていて。他にも何人かサポートでベースを弾いてくれる人はいたんですけど、1人だけ安定感が違ったというか。やっぱり自分たちが一番やりやすいのは彼(※植木)だなと思っていた時に、タイミングがちょうど重なったんです。それがあって、今に至るという感じですね。

●平田くんがTwitterで“死ぬまで唄う決意あります”と書いていたのが、すごく印象に残っていて。そういう強い決意を、結成当初から持っていたんですか?

川上:初めはそこまでではなくて、途中からだと思うんですよ。バンド活動を続けていく中で、彼の決意が固まってくるのを僕も感じていて。普段はそういう話をあまりしないんですけど、ライブのMCを聴いているとわかるんですよね。“そういう気持ちだったのか”と気付かされる時はたまにあります。

●決意が固まってきた理由とは?

平田:このバンドを始めた当初は大学との“二足の草鞋”みたいな状況だったし、自分にとってはちゃんとしたペースで活動する初めてのバンドだったんですよ。結成した月には名古屋に遠征したんですけど、それまでは遠征したこともなかったんです。

橘川:あと、結成してから3ヶ月くらいで、下北沢MOSAiCが主催する“KNOCKOUT FES”にも出させてもらったんですよ。

●そういう経験を重ねる中で、徐々に固まってきたんでしょうか?

平田:僕にはほとんど全てが初めてのことだったので、そういう中で徐々に想いが強くなっていきましたね。そもそも僕は元々、ボーカルだったわけではなくて。高校の頃にバンドをやっていた時は、リードギターを弾いていたんですよ。

●元々はギタリストだったんですね。

平田:でも良いボーカルが見つからなかったので、“もう自分でやっちゃおう”みたいな感じで歌い始めたんです。だから歌い始めたのも、ほんの2〜3年前の話なんですよ。その頃までは曲も作ったことがなかったので、本当にこのバンドになって1から始めた感じですね。

●曲は平田くんが作っている?

平田:だいたい僕が作っています。今思えば、初期に作った曲とかはヤバかったですけどね(笑)。作り慣れていないので、要領がわかっていなかったから。何が“良いメロディ”で“良い歌詞”なのかもわからなかったんですよ。そこから徐々にちゃんとした曲を作れるようになっていきました。

●そういう人だから、ありきたりな型にハマらない曲になっているのかなと。

橘川:そうかもしれないですね。

川上:僕が出会った時にはもうギターボーカルをやっていたので、今みたいな話は初めて聞いたんですよ。歌詞の言いまわしも好きなところが色々あるんですけど、その裏付けについては深く考えたことがなかったですね。“何となく好き”というか。

●直感的にそう思えるから、曲作りを平田くんに任せられるのでは?

川上:そうだと思います。

橘川:初めて一緒にスタジオへ入った時に持ってきてくれた弾き語りの音源の中に、1stシングル『方舟の案内人』にも入っている「さよならユートピア」という曲があって。そのタイトル自体もグッときたし、“こういう言葉を使うんだ!”という驚きもあったんですよ。そういう言葉や歌詞を聴いて、“一緒にバンドをやってみたいな”という気持ちになりましたね。

●その頃から平田くんの歌詞には“らしさ”があった?

植木:そうですね。特にメロディに対する、歌詞の当てはめ方にすごくこだわっているなと感じていて。単語として自然に聞こえてくるけど、メロディとしてもしっかり聞こえてくるようなものになっていて。だから気付けば脳内再生されて、口ずさみたくなるような作りになっているんだと思います。

●歌詞では、あまり普段は使わないような言葉が印象的でした。

植木:M-3「3秒前の憂鬱」に出てくる“内径”なんかもそうですよね。

平田:あんまり直接的な表現にならないようにしようとは考えていて。1回見ただけで意味がわかるようなものにはしないように意識しています。でも意味が全然わからないものにはなって欲しくないし、“(言葉としては)わかりやすいけど疑問を感じる”みたいなものにしたいんですよね。“これはこういう意味なんじゃないか?”という感じで考えて欲しいし、意味は聴いてくれた人が自分で決めて欲しいんですよ。

●M-1「茜色、空に灯す」の“醒めた夢と才能の無さと 醒めない夢を探した今 理想像へ行こう”といった部分は、音楽活動に対する想いが出ているのかなと思ったんですが。

平田:歌詞に関しては、ほぼ自分の心境が出ていると思います。中でもそこは特にそうなっていますね。

植木:これが今回の4曲の中で、最後にできた曲なんです。一番ひねり出すように作った曲だから、その時の心境が如実に表れているんだと思います。

●「茜色、空に灯す」は難産だった?

平田:単純に僕は曲を作るのが遅いんですよ。「3秒前の憂鬱」だけは少し前にレコーディングしたんですけど、他の3曲はどれもレコーディングの1〜2週間前にできたものなんです。

橘川:前のツアーが終わってから、“ヤバい…。曲を作らないとレコーディングに間に合わない…”という感じで、みんなで必死になって作りました。

●「3秒前の憂鬱」だけは先に録ってあったんですね。

平田:と言っても、そんなに前ではなくて。2018年8月頃に録ったので、まだ4ヶ月前くらいなんですけど…。

川上:僕らからしたら全部、新しい曲ですね(笑)。

●今回はサウンド面で新しい挑戦もしたとのことですが。

平田:過去2枚のシングルに関しては“ギターロックで行こう”という気持ちが自分の中にあって、王道な感じの曲が多かったんですよ。でも“3作目くらいから、ちょっと違う感じにしてみよう”というのは前から話し合っていて。どの曲も変えるところはガラッと変えつつ、自分たちらしさも見せられたらなというコンセプトで今回は作りました。

●以前から、今作では新たなことに挑戦しようと決めていた?

平田:まずシングルを1〜2枚出して、ライブをしっかりやって、ある程度の地盤を作ってから色々と遊ぼうと思っていて。だから、わりと計画的な2年間ではあったんですよ。やっと最近になって、そういうこともできるようになったというか。あと、今回はEPで4曲入りなので、今までと違うタイプの曲が入っていても良いなと思ったんです。2曲入りのシングルの時とは違って、そういう意味での余裕もありましたね。

●自分たちの中で新しいタイプの曲とは?

橘川:「風の中で」は、関係者の方から“こういう曲もあるんだ?”と言って頂くことが多くて。前から知っている人なら“Organic Callって、こういう曲もやるんだ!?”となると思うんですよ。

植木:それぞれのメンバーが今までやってこなかったことを実験的に試しているところがもあって、今までの自分たちが全く触れてこなかったようなテイストの曲になっているんです。メンバー4人とも気に入っている曲ですね。

●新しさも出しつつ、自分たちでもお気に入りの曲になったと。

橘川:僕はこの曲のCメロが一番好きなんですよ。本当に(平田)真也の心境が、ここには出ているなと思って。“わからないまま この唄を歌い続けているよ”とか“わかりたくないさ いつまでも”といったところに、彼の本当に純粋な気持ちが表れているように感じるんです。そこにメロディも合わさって、すごく良い曲になっていますね。

平田:個人的にも「風の中で」は、自分の中で1つ変われたなという感覚がある曲ですね。

●M-2「愛おしき日々たちへ」が今回のリード曲ですが、“僕らずっと生き続けよう”というのもバンドとしての強い意志を感じさせる言葉だなと思いました。

平田:そこがこの曲で一番のキーワードですね。過去の良いことも悪いことも楽しかったことも苦しかったことも全部、今生きていることに幸せを感じる、この一瞬のためにあったんだなと思うんです。“今となっては過去のすべてが愛おしいな”ということを歌っています。

●バンドの歩みにも通じるというか。

平田:“雷鳴”というのも、大きな音を意味していて。ライブハウスで鳴らす、大きな音をイメージしているんです。そういう音をもがきながらも鳴らし続けるという想いを、最後の一節には込めているんですよね。

●作品タイトルの『水平線、続く天青』には、どんな想いを込めているんでしょうか?

平田:“バンドを死ぬまでやり続けたい”という想いから、まず“水平線”という言葉が浮かんだんです。そういう気持ちになったのが2018年の4月くらいで、ちょうど就職するかどうか悩んでいた時期だったんですよね。そこで“ずっとバンドを続けていこう”という気持ちになったので、“続くもの”というイメージから“水平線”が浮かんで。

●“天青”というのはどこから?

平田:“天青”というのは日本の伝統色の1つで、空の色のことなんですよ。空もずっと続いていくものじゃないですか。だからタイトルの言葉は結局、どれも“続けたい”という想いから出てきた言葉なんですよね。

●“続けていく”意志を凝縮したタイトルになっているんですね。リリース後はツアーも予定しているそうですが。

橘川:2/3からツアーが始まります。これまでもかなりの本数、ツアーをまわっていて。初めてのツアーでも17本まわって、そこからどんどん本数が増えているんですよ。

平田:ライブは多少無理してでも、たくさんやろうと思っていて。落ち着いてやろうという感じは、あまりないんですよね。

川上:やっぱりライブが好きだから。結成2年で4回もツアーをしているバンドって、珍しいと思うんですよ。だからこそ他のバンドよりも濃い出会いをしているはずだし、そういうものがこの2年という短かい活動期間でも大きな自信につながっているんじゃないかなと思います。

Interview:IMAI

 

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