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セックスマシーン

セックスマシーンへのラブコール!!

LIVE REPORT SIDE

4/6、神戸太陽と虎で行われたセックスマシーン自主企画"セックスマシーンニューアルバム流通倉庫入荷記念"。

まずは「君を失ってWow」「まっ!」といったセクマシらしいアッパーなライブナンバーでフロアを急速に加熱させると、ファン達は待ってましたとばかりに雄叫びを上げる。初めは迫力に気圧され遠巻きに見ていた観客も、徐々に前へと詰め寄り、3曲目「報われないぜ」が終わる頃にすっかり全員参加型のライブ空間が出来上がった。

セクマシ節全開なMC後には、とんでもないサプライズが。「ロックの本質は裏切りだ」そういって始まったのは、Key.アキラがスタジオ練習に寝坊した時に出来た曲、「待ちぼうけ」。まさかこんな展開になるなんで、いったい誰が予測出来ただろう!

各パートが演奏を始める中、膝に手を置きうつむく姿を見ていると少し可哀想になったが「自分のステージで初めて聴く曲をやらされるのってどんな気分? 俺はチョー楽しい!」と、満面の笑みを浮かべながら話す森田の言葉に大笑いしてしまった。オーディエンスの期待に応えるのはもちろんのこと、この日この瞬間にしか味わえないスペシャルな要素を織り込むセックスマシーンは、まさにライブバンドの鑑。オーディエンスは何度も彼らを求め、まさかのトリプルアンコールの後も歓声が止む事はなかった。

最高のエンディングを迎えたイベントだが、これはまだほんの序章である。アルバム『正気』のリリースツアーでは、更なる興奮の渦に包まれるに違いない。
(TEXT:森下恭子)

INTERVIEW SIDE

セックスマシーン×騒音時/(唄./mouth harp./木魚./他)なべ
騒音寺 Profile:京都発のブルース・ロック・バンド。ブルージーでビートの効いたバックの演奏と、Vo.なべの妖艶な昭和歌謡テイストの歌が高い評価を受けている。関西をはじめ、東京や名古屋など関東でもその名を轟かせる"ロックのゴンゲ"的存在だ。

●騒音寺はいわゆる"京都のロックゴンゲ"みたいな存在ですよね。

なべ:そしたらセックスマシーンは"神戸のロックゴンゲ"ですね。今まで対バンした神戸のバンドの中で、一番気に入ったかも。

セクマシ一同:やったぁ!

なべ:さっき新しいアルバムのCDをもらったけど、歌詞だけ読んでも良い曲ってわかった。

●具体的にどういう部分が印象に残ってますか?

なべ:身近な言葉で歌詞を表現すると、どうしても内向きな内容が多いんですよ。でも彼らは言葉の端々にプラス思考の言葉がたくさん出てくるし、演奏も声も態度も全部外に向かっている。全曲分の歌詞を読んだけど、どれもホンマに上手いなと思いました。

森田:嬉しいなぁ。

なべ:しかも、笑える部分もいっぱい入ってるしね。

森田:前まではどちらかというと湿っぽいことを歌っていたんですが、今回のアルバムからは前向きな歌を唄ってみたいなというのがあって。

●なるほど。

森田:でも僕は自称現場主義者ですから、ライブハウスにいる時が特別元気でいられるんですよね。純粋に"みんなの前で音を鳴らすのがカッコいい"と思ってやり始めたので。でも最近はCDを売ることに気を取られて、ライブがただCDを宣伝するための場になっている人が結構いるんじゃないかと思うんです。それで「食っていけないから辞めます」っていうのは、根本を忘れちゃってるような気がして。

なべ:俺はやっぱりテレビやラジオじゃなくて、ライブの現場こそが"最前線の瞬間"って思ってるから。古くさいことをやろうが"これが最前線だ"って教えてやれる空気を、セクマシは作ってるよ。

森田:ありがとうございます! Twitterに書いた時点で劣化しちゃうような、生々しくて愛おしいことがしたいですね。

●でも、どうして騒音寺はセクマシと対バンすることになったんですか?

森田:前に十三ファンダンゴで一緒にやらせてもらった時に、圧倒的なロックぶりを見せつけられまして。これはぜひ神戸でも一緒にやりたいと思ったのがキッカケです。

なべ:その場で声をかけてくれてたんだよね。

森田:今日のイベントはお客さんがロックに抉られるようなイベントにしたかったので、すぐにラブコールに走りましたね。

なべ:俺らもすぐにオッケーを出しました。暇やから。

一同:あはははは!

●騒音寺はロックのゴンゲやから、"こいつらと演りたい"と思ったらいつでも空けるんですね。

なべ:空ける空ける。やっぱりCDうんぬんというより、ライブがいいかどうかですよ。現場が好きだから。

●そこに+Plusみたいな全然違うバンドが入っていると、もう正気の沙汰じゃないというか。

森田:お客さんはにとって大事なのはジャンルじゃなくて"度合い"じゃないかなと思うんです。どんな方向の音楽でもいいから、貫かれるような感覚が欲しいんじゃないかなって。

なべ:セクマシも普段は地味だけど、ステージに上がると顔が変わるもんね。すごくエネルギーを放射してる。最初はホンッマに地味なイメージやったけどなぁ。

森田:前にアキラが本番の時に車で寝てたことがあるんですけど、起こさないまま4人で始めたんです。途中に演出として、ワイヤレスマイクで起こしにいったんですよ。そしたら顔が全然できあがってなくて、もうパンパン。

アキラ:起きて5秒後にステージですからね。

森田:目線も前向きじゃなくて、斜め下を見てどんよりしてましたね。それを見て"ロックをするには準備も大事だな"と思いました。

一同:あははは!

●騒音寺だったら見た目からロックバンドをやっているのがすぐわかるけど、セクマシはたぶんわからへんよな。でも僕が思うに、騒音寺とセクマシの根底には共通点がある気がするんです。ロッカー特有の"弱さ"を持っているというか…フラレ上手?

森田:確かにロックにのめり込んでからは、明らかに回りの流行りから離れていって、いわゆる"イケてない人間"にはなったかもしれないですね。

なべ:自分的には"イケてる"感じに思えるんだけどね。

森田:そうなんですよ! でも高校の時はあんまり女の子としゃべったことがなかったから、抱えこんだものをどんどん内側に溜めていって。ロックを煮詰めていく段階で、今の表現に行き着いたのかもしれないですね。

なべ:俺は高い金を出して…といっても2000円くらいだけど、ロックバンドのライブを観に行くじゃないですか。そしたら会場にはたくさんのお客さんがいるんですよ。"2000円のチケット代×お客さんの人数分の売り上げが、全部バンドのものになるのか"って頑なに信じてて。というか、今でも信じてますからね。

一同:あはははは!

なべ:だからこそ、それが原動力になってるんです。もちろん単純に音楽が好きなんだけど、憧れを持ち続けているから続けられるし、"ステージに立つ人ってすごいな"って今でも思ってる。自分より若いOKAMOTO'Sやザ50回転ズと対バンした時も素直に"カッコ良いな"って思ったし、セクマシにも思った。

●だからこそ、こういう出会いがあるんですね。それが一番大事だと思います。

セックスマシーン×+Plus(Vo.)永井朋弥
+Plus Profile:ロックをベースにしつつも、ヒップホップレゲエ、R&Bなどあらゆるジャンルのエッセンスを取り入れ昇華させる、新世代4ピースバンド。2009年8月19日+Plusシングル「日向に咲く夢」でポニーキャニオンよりメジャーデビュー。

●正直"こんなイベントに+Plusが出演して何のプラスになるのか"とか思ってないですか?

永井:太陽と虎の対バンは面白い人ばっかりなので、今日も僕らがトップバッターとして盛り上げていければと思っています。今日はリーダーの小谷が急用で来れなくなっちゃったぶん、余計に気合いが入ってますよ。

●ベースの子も"こんなイベントに出てもしょうがない"ってことで休んだんだよね?

永井:えっ…そうですね、そう言ってました(と言うように、インタビュアーに言われました)。

●さすが太陽と虎でライブをするくらいだから、シャレもちゃんと心得てるんや。

永井:多少は。でもやっぱり関西のノリには勝てないですね。お客さんもすごいツッコミを飛ばしてくるから、毎回圧倒されます。東京ではそういうのがないので、いつも楽しみなんですよ。

●そうなんや。セックスマシーンとの対バンは初めてですか?

永井:そうです。さっきリハを見ていたんですけど、歌にすごく魂がこもっている方たちだと思いました。

●この界隈には永井さんみたいに紳士的な対応ができる人がいないので、受け答えひとつにしてもなんだか新鮮です。

永井:いやいや(笑)。僕って全然面白くないから霞んじゃって。

●そんなことないですよ。こんなやつら(セックスマシーン)ばっかりの中に、一輪の綺麗な花が咲いているようなものですって。

森田:その落差たるや尋常じゃないですよ。僕らはどう対応したらいいんやろう。

永井:でも実際は、現場主義のライブバンドなんですよ。去年は150本くらいでしたけど、一昨年は年間200本くらいライブをしてました。

森田:すごい現場感! その辺りは僕らと一緒ですね。

●それなのに、何でこんなに顔が違うんやろう? もはや別の生き物やん。

森田:食ってるものが違うんですかね? 何食ってるの?

永井:え? えーと…さっきバナナを食べました。

森田:バナナなんてもう何年も食ってないなぁ。しばらくバナナばっかり食ってたら近付いていくかも?

●無理でしょ。ひょっとしたら+Plusにとって今日のイベント出演はマイナスイメージになるかもしれませんが、最後にセックスマシーンに他愛もないメッセージをお願いします。

永井:主催イベントに呼んでいただいた時に「○○さんのイベントに呼んでいただいてありがとうございます!」っていうじゃないですか。僕的には全然オッケーなんですけど、ファンの子の前で「セックスマシーンさん」って言うのを躊躇してる自分がいます(笑)。

●やっぱりファンの前では言い難い名前だったんですね。+Plusはイメージ大事にしないといけないけど、セクマシは背負うものも捨てるものもないからなぁ。

森田:このバンド名にした時点で、いろいろ捨ててますからね……。

セックスマシーン×メガマサヒデ
Profile:卓越したソングライティング能力と、衝撃的なライブパフォーマンスで人々を虜にするシンガーソングライター。誰もが一度聴いたら惚れ込んでしまうそのメロディーの美しさは、時に愛で体中を包み込む。かも?

●セックスマシーンの『正気』はもう聴きましたか?

メガ:実はまだほどんど聴いていないんです。ついさっき音源を受け取ったんで、車の中でちょっと聴いたくらい。

森田:メガ氏とは1ヶ月くらい会ってなかったので…。

●最近のメガくんは、音楽業界よりもアンダーグラウンドなメディアの仕事が多いんじゃない?

メガ:また竹内義和さんとのトークイベントが決まりましたからね。音楽活動よりトークが増えている感があります(笑)。

森田:でも、メガ氏はやっぱりライブで観たいなぁ。1人でステージに立っているあの姿…頼る相手はいないから、自分の持っている"何か"で会場の人たちを揺さぶらないといけない時、メガマサヒデの集中力はすごいですから。

●普通に褒めているはずなのに、モーリー(森田)が言うとなぜか傷の舐め合いをしているように見えてしまう…。

メガ:普段からよく電話して、お互いに褒め合ってますからね。今度は2人で漫才もしますよ。まだ内容は何も決まってないのに、日にちばかりが迫ってきてます。

●2人ってそんな仲なんや。どこで漫才をするの?

森田:東京です。メガ氏にイベントの余興で何をしたらいいか相談したところ、「漫才をやるしかない!」と言っていただいて。僕も煮詰まっていたんで「じゃあそれで行きましょう!」と。

メガ:内容も決めてないのに早速Twitter「伝説の漫才が蘇る!」ってつぶやきましたからね。まだ一回もやったことないのに(笑)。

●メガくんも"狂気"じみた人ではあるけど、根底は純粋さがあるよね。

森田:そうですね。純粋だからこそ手に負えない部分があります。

●しかも,本人は自覚がない。

メガ:わからないですね。何も考えないで出したものがそれだったという。

●だからこそ面白いというか、リアルな感じがします。

メガ:自分では至って普通だと思ってますから。

森田:僕が彼のことをキ○ガイって言ってるのは、ステージ上よりも日常的な人付き合いで"この人変わってるな"と思ったからなんです。

メガ:…ホンマですか?

森田:(少し間があって)…はい。もしかして、気にしてました?

メガ:割と自分でも直していきたいなと思っていて、日々大人な対応を心がけていたんですけど…。

●あ、意外とそういうこと考えるんだ。

メガ:割と考えますよ。表現がアレなだけで。

●(笑)。話を戻しますけど、今回のアルバムはまだほどんど聴いていないということですよね。ですがそこをなんとか、聴いたつもりでメッセージをどうぞ!

メガ:車の中で聴いただけですが、いかにモーリーの鬱屈が溜まってるのかよくわかるアルバムになっていました。それをみなさんに届けて欲しいです。

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